販売イメージを持って容器を選定する
エステサロンなどお客様と対面販売で経営されている企業様からこういう声いただくことがあります。
『化粧品の開発で高級感のある商品をつくろうとしても容器や資材ロット(発注数量)にコストがかかってリスクが大きい。』
特に高級感のある容器を探す場合
・高級感のある容器は希望するが、価格はできる限り低コストで
・もっとゴージャスな加飾をしたい
・高級品な化粧品としての品質安定感
・高い商品だけに大量生産はせず少ない数量で始めたい
高級化粧品を開発・容器選定する際、頭に入れておく必要があることは以下のようなことがあります。
・生産最低ロット×容器単価(容器代+加飾代)=容器のトータルコスト
・内容物の原料代と充填加工賃+必要な資材等=充填製造コスト
・完成した化粧品の希望販売価格×販売計画数=売上
・あと重要なのが販売を促進するための販促費および管理費等
綺麗な化粧品容器を開発しただけでは売上が上がるわけではなく、重要なのは売れるように開発の段階から販売管理費まで想定して開発することです。
お客様のイメージをお聞きして加飾を施した見積もりを提示すると「容器価格が高い」とご指摘をいただくことがあります。
単価は確かに重要ですが売りたいイメージとデザインを実現するためには上記のようなトータルコストで計算しておくと意外とスムーズに開発が進むことがあります。
容器は安い単価で購入(商品単価管理)するか、少ないロットで購入(トータル予算の削減)するか、いずれかの選択肢があることを知ることがポイントだと思います。
↑容器自体に費用をかけるか、加飾に費用をかけるか。ロット優先するか。難しい選択です。
「海外製のゴージャスな容器は国産の半額以下で買える」などといった話はよく聞きます。もちろん販売する数量に見合ったロットで生産できるのならば良いかもしれません。
しかし安い反面、生産ロットが大きくて、買ったはいいものの、容器の在庫が大量に残ってしまった。この場合は在庫=滞留資金になり、販売するための予算を削っているのと同じことになります。
企画開発者はできることならばコストは別として好きなものをつくりたい、購買担当者は極力低コストで仕入れたいと考えている場合があるかもしれません。
しかし単価だけではなくトータル予算として計算しておくと、初期単価は高くても、売れればロットを増やし、資材コストも結果的にリーズナブルになる為、強気の売価設定もできるでしょう。
最近は「小ロットでリスクを少なく、販促に力を入れる」方向に進んでいることも念頭に入れておくことが重要かも知れませんね。