容器屋さんの業界(その2)
容器屋さんの業界は歴史の流れを知ると良くわかります。おおまかな容器の変遷と成り立ちを簡単に説明いたします。
●ガラス瓶の流通
容器メーカーの歴史をふりかえると、古くはガラス成型品・金属プレス製品、その後から樹脂成型品も出てきました。
ガラス瓶は大昔からの製造方法を大量生産型に変えていった歴史があります。日本市場において、ガラス瓶は「リサイクル及びリターナブル容器」として長く君臨していました。ガラス瓶を回収する業者がガラス製造会社や充填業者・洗瓶業者にガラス容器を持ち込み、時には破砕して溶かしたり、きれいに洗瓶して再度充填先へと 出荷されるという流通構造が成立していました。
飲料用自動販売機でも1980年代頃までガラス瓶のジュースなどが販売・回収されていました。(大きいサイズでは1L瓶のジュースが自動販売機で買えた記憶が残っている方もいらっしゃるかと思います。飲んだ後はお店に瓶を返すようになっていました。)
●容器の問屋さんの発展
大量生産されるガラス瓶は1回の生産ロットが大きいため大手企業でなければ直接買うことができず、代理店がメーカーから仕入れ、販売することで小ロット販売が成り立っていました。リサイクル・リターナブル容器のガラス瓶は、代理店(瓶問屋や商社)を通し、小ロット販売することで食品メーカーや化粧品メーカーに容器が供給され、全国地方でも商品をつられ、小売へと流通したものが、消費され、瓶は回収され商材によっては再利用されていくという構造でした。
瓶問屋のなかには代理店として大量のガラス瓶を流通する傍ら、自社の汎用型を製作し在庫販売をすることで売上を伸ばす企業が出てきました。また、ガラス瓶の容器本体にCAPが必要ですが、CAPは金属加工品のCAP(飲料では王冠やアルミ巻き締めCAPなど)が主に流通していました。金属CAPにおいても大量生産型のライン特性上、代理店が存在することで食品や化粧品市場に流通しています。
CAPは容器本体より開発が進み、機密性・使用勝手の良いCAPがどんどん出てきました。金属と樹脂の融合された商品や注ぎやすいように工夫された樹脂CAPなど各社が様々な形状をつくっています。
ちなみに武内容器は創業当初、CAPの販売代理店・企画製造をメイン事業としていました。
↑今でも供給されている金属CAP。樹脂成型品が出てくるまでは主力の素材でした。
●容器問屋さんの汎用型を生かした市場開拓
容器は金型投資という大変高額な初期投資が必要になる上、生産ロットの制約(大量生産)があるため、大手企業でない限り、なかなか簡単にオリジナル品をつくることができません。
その中で容器問屋さんは沢山の顧客を背景に、自社型に投資し、大量生産しても売りさばくだけの情報量とノウハウを使って販売することができました。
問屋さんは顧客の様々な要望に対し、応えるように沢山の自社汎用型を作製し、市場開拓していきました。扱い素材はガラス瓶が主となって販売していましたが時代の流れと共に樹脂成型品へと切り替わってきました。
●容器素材が樹脂成型品に変わっていく
「リサイクル・リターナブル容器」として、又、対内容物への耐性などのメリットがあったガラス容器が長い間、容器として君臨していましたが、「軽い」「流通しやすい」「割れにくい」「多種多様な材質特性」「小ロット生産」などのメリットを有する樹脂成型品がこの30~40年近くの間に市場を席捲する勢いで替わってきました。
ガラスを主として扱ってきた容器問屋(瓶問屋)も樹脂成型品を取り扱うようになり、近年では取り扱い品目が一変しました。
ガラス容器から樹脂容器が主力になってきた経緯については次の機会に投稿いたします。