化粧品容器製造の需給バランスをどう解決するか考えてみます(1)

日本の化粧品容器の製造の現状

 

※日本の化粧品容器の製造が需要になかなか追いつかない状態が続いています。

東京・大阪を始め日本全国で外国人観光客でにぎわっており、その需要は日本の化粧品を下支えしてくれているのは明らかです。

デパートの化粧品売り場へ行くと行列のお店がいっぱい!

10年以上前は日本に外国人観光客を受け入れる環境などほとんど無かったのにただ驚くばかりです。

 

 

※海外からの需要の恩恵のみ底上げされている

・観光客が日本の小売店でお土産を買って帰る「インバウンド効果」

・海外の法人が「Made in Japan」の冠をつけるために日本メーカーに作らせて輸出させる「アウトバウンド効果」

・EC取引が発達して日本でも急増する越境ECによる「アウトバウンド効果」

特に化粧品はこの効果の恩恵に受けやすい商品のため、ここ数年活況な市場となっています。

 

※この需要に対して日本の製造における(特に容器関連)需給ギャップが出てきています。

・容器製造において、急激な需要に対して設備が追いつかない(設備投資不足)

・この景気もいつか止まるかもという不安(設備投資を足踏みしてしまう)

・容器の製造現場に人材が集まらない為、設備があってもつくれない(今最も深刻な問題)

・容器の供給が間に合わないと心配になるので多めに発注がかかる(必要以上の発注⇒ますます納期がかかってしまう)

人材の確保は深刻になっています。今までの採用の仕方、製造ラインの人的配置の考え方ではなかなか人が集まらない状態が続いています。

特に樹脂容器の製造は24時間生産している企業が多く、いまどきのライフワークバランスを考えるとなかなか働き手がいないのが現状です。

 

現在、日本の容器製造現場では必死につくっても納期が間に合わない現状と、先行きが見えないと感じてしまう不安感を持ちながら、この十数年間無かった需要を感じていることだと思います。

 

先が見えないので投資も積極的に出来ない。人が集まらないから生産性が上がらない。

ムリな供給体制で効率の悪い生産になり、思いのほか利益が出ない。

この数年化粧品容器の製造現場は前向きな雰囲気が出てきていないように感じます。

 

次回は少しでも供給を安定させる方法はないかを考えてみます。