化粧品容器製造の需給バランスをどう解決するか考えてみます(3)※2018年11月当時の情勢下にて

2018年11月時点の情勢で下書きしていた内容となります。

2020年10月現在とはあまりにも様変わりした世の中ですが、あまり内容的にはかわらないのでブログ掲載しました。

 

化粧品容器製造の需給バランスをどう解決するか考えてみます(1)で化粧品市場の現状を、

化粧品容器製造の需給バランスをどう解決するか考えてみます(2)で実需給バランスについて考えることを、

記載してきました。

今回は製造する企業が需給バランスが崩れる中、どのようなスタンスを取ればいいのか考えてみました。

 

※長期を見据えた継続的投資

日本の容器に関する製造加工業は現在人不足といわれています。バブル崩壊後の20年前には相当冷え込んだことがウソのようです。

「設備があっても生産できない。人がいないから」

良く聞く話です。メーカーで人が確保できないのは致命傷です。容器づくりの中ではオートメーション化できないことが多々あります。

しかし「人がいない」だけの理由で、景気が冷え込むまで待つことが正解なのか?疑問符がつきます。

需要が高まっている間に「人の採用方法」について如何に知恵を絞りつつ、「効率化」するための投資を継続的に行うことが必要です。

 

※設備投資の考え方を変えてみる(好景気時)

設備投資は法定の原価償却期間が長いものが多いですが、好景気時は償却期間よりずっと早く「元が取れる意識と計算」で投資するのも良いかも知れません。(税法上は償却期間変更できませんが)

つい通常償却でシュミレーションするとブームが去った後(景気後退)に設備が重荷になってしまいます。

 

償却単価上乗せで単価は多少高くなっても早いうちに利益構造を出すことで、景気後退時でも未練なく設備の廃棄・売却が出来るのではないかと思います。

これは大手ではなく中小企業こそ前向きな生産指向になる重要なポイントだと思います。先行きが見えないからなかなか投資に踏み切れない中小企業が沢山あると思います。結果償却期間未満で償却できれば利益が発生し、税金として社会貢献も出来ます。

 

※採用についても考えてみる

「働き方改革」が進んでいる中、中小のメーカーではもっとも頭を抱えている問題だと思います。

時給をあげても環境の厳しい容器の生産現場(長時間稼動と一定のスキルが必要)にはなかなか人が集まりません。容器のメインの生産方法であるインジェクション成型の工場で8時間しか稼動しない工場は珍しく12時間以上や24時間フル稼動の工場が多い中、現場採用者は本当に頭を抱えています。

給与面以外の働く環境(ソフト面)の充実や休みの有り方、採用の基準など方法を試していくしかありません。

 

ある企業はスキルアップをさせることで(様々な資格取得を経営者・従業員分け隔てなく平等に受ける権利がある)モラルアップと魅力的な採用基準を設けているところもあります。

また他の企業では工場をリニューアルした時にフルオートメーションを検討し、好くな人手で且つ、スキルのバラツキが合っても出来るだけ均一な仕事が出来る環境整備を行おうと努力している企業もあります。

製造技術は職人や現場で働く方々の力によって支えられていますが、仕事が属人化していると「人不足」は結果的に当事者により負担がかかり、仕事がきつくなり、更なる人不足に陥ってしまいます。これからはワークシェアやフレックスタイムの応用(短いコアタイムとベースの労働時間の短縮)や週休3日、4日などで雇用条件を変化させながらも均一な仕事が出来る環境をつくって行くことも必要になるのではないかと思います。

 

好景気のときこそ企業環境を変えるチャンスであり、景気後退時でも足腰の強い体質にすることが肝心だなとつくづく思います。