容器の遮光について
容器の遮光についてお客様から「遮光性のある容器はありませんか?」という質問を受けることが多いです。
非常に難しい問題なのですが、「遮光性の高い容器はアルミの容器ですよ」とお応えすることが多いかと思います。
但し金属系の材質の容器は遮光出来ますが、実際に容器に充填する際にすでに何らかの光を取り込んでしまっているので完全遮光というのは厳密には表現できません。
一般的に薬瓶などで使用されている茶色のガラス瓶は「遮光瓶」という名称で販売されていますが、それも「完全な遮光」ではありません。
中身が透けて見える、光をかざすと透けて見えるということは可視光線の波長(400~800ナノメートル前後)のいずれかの波長は透過していることになります。
またどんな容器でも立体形状であり曲面形状および不均一の厚みで出来上がっています。
立体形状は光の屈折率が平面で確認するように均一に透過せず、屈折率が変わりながら透過します(形状によっては乱反射します)。
屈折率が変わると透過性能は変わるため容器の部位によって遮光性能も変わるということになります。
※自社ボトルの胴部断片を分光光度計を利用した透過率測定データ
またジェルネイルなどは特定の波長のUV(紫外線)ライトを使用し、爪に塗ったジェルを一気に固めます。特定の波長によって固まりやすい樹脂を原料としています。
実際には室内外の環境では可視光線が常にあたり、特定の波長の光線も含まれているため、完全遮光にしなければ内容物が固まることがあります。
内容物が光の特定の波長で変性するもの(例えばビタミンCなど)、色が変わってしまうものなどは特に注意が必要ですが、容器の性能でカバーできることには限界があるため、実際に中身を入れて、想定される実使用のテストを繰り返し行い、検証することが重要になってきます。
まずは何はともあれ商品開発段階で内容物テストを実施することが一番です。
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