プラスチックのブロー成形

今でも樹脂、ガラスに関わらず、ボトルのことを「瓶」と呼ばれることがあります。樹脂成型の技術が発展する前はガラス製品が中心にあったことはいうまでもありません。

リサイクル、リターナブル容器といえばガラスに勝るものは今もないと思います。しかし食品容器はもちろん化粧品容器でもガラス瓶の需要が減ってきているのが現状です。通販市場が台頭し、詰め替え用袋の合理性が市場にも認知されているなか、「割れやすい」「重い」などの理由で敬遠される場合があります。

品揃えとしてはこれからも無くなることは無いとは思いますが、容器を扱う企業では樹脂の成型品の開発が各社とも優先になっているのではないでしょうか?

樹脂のプロー成型は樹脂成型の中でもシンプルな成型方法ですが、オペレーターの技術力と気温など成型現場の環境条件によって品質の安定度が変わる成型品です。

プロー成型の方法はダイレクトブロー成形とインジェクシヨンストレッチブロー成形が代表的です。

①ダイレクトブロー成形はインジェクシヨン成型に比較すると初期投資の金型代が安く、開発がしやすいアイテムに採用されます。

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↑ダイレクトブローのPETボトル

②インジェクションストレッチブローは口部の精度、延伸による肉厚の均等性がダイレクトブローに比べると優れていますが、金型コストは非常に高くなります。また前者ではつくれる形状でも後者ではつくれない形状もあります。

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↑インジェクションストレッチブローのPETボトル

まずは使用目的、大きさ、形状、年間の生産数量(金型償却の目処を勘案するため)、内容物との相性etc、様々な要因を事前に検討する必要があります。

ダイレクトブロー成型は形状の自由度が高く、大型タンクのようなものからタレ瓶(弁当用の醤油入れ容器)のような小さいサイズまで作ることができます。インジェクションストレッチプローは飲料用のPETボトルや肉厚成型の化粧品ボトル、食品では海苔瓶のような広口で且つCAPとの嵌合精度を求められるものに採用されやすい容器です。

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↑広口はちみつ容器(当ボトルはPP製のダイレクトブロー成形)

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↑海苔瓶の広口容器等(インジェクションストレッチブローのPET容器)

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↑1Lや2Lの飲料水のボトル成型前の形状(インジェクションストレッチブローのPETプリフォーム)

しかし使用条件次第でお勧めできる成型法が変わる場合があるので開発コンセプトの段階でイメージのすり合わせをしておく必要があります。是非事前に容器の取扱業者に確認することをオススメいたします。