成型方法・肉厚の違いで容器のサイズは変わる

化粧品容器の材質がこの10~15年ほどで大きく変わってきました。

ガラス瓶から樹脂ボトルへと変わってきています。

ガラス瓶は対内容物適性が高く、透明性と肉厚感(重量感)があるため、高級志向の化粧品にとって、使いやすい容器でした。

日本の容器リサイクルの視点で見ると、最近でこそ化粧品のガラス瓶もリサイクルできるようになってきましたが、以前は分別ゴミとして埋め立てやその他燃えないゴミとして廃棄されていました。

リサイクルができるようになって、ガラスはメリットが追加されたものの、市場では重すぎる・割れるなどの理由がデメリットとなり、メーカー視点に立つと生産ロットの多さ、在庫保管リスク、成型精度の限界などより、使用率(採用率)が減ってきました。

 

一方、ガラスに変わりPET樹脂の成型品が沢山出てくるようになりました。PET樹脂成型品でも、インジェクションブローという成型方法で成型すると、肉厚成型も実現できるようになりました。PET樹脂は対内容物適性で苦手なものもありますが、化粧品に使用される中身であればある程度は許容できる上に、透明性、ガスバリア性が高いため、人気のある樹脂です。飲料用でもPET樹脂が主力材質となっています。

 

ガラスの成型方法にもよりますが、化粧品で一般的に使用されるソーダ石灰ガラスは薄肉成型が苦手ですが、厚みがあるため、豪華に見えます。反対に樹脂成型の場合、薄肉成型が得意なため、あまり厚肉成型の容器を生産しません。しかし近年、量産品でガラスの肉厚に匹敵する樹脂容器も出てきています。

 

同じ系統の材質で約30mL充填できる容器でも薄肉と肉厚成型では以下の写真のようなサイズの差が出てきます。(以下の写真はPET樹脂での成型品です)

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↑左が一般的なブロー成型品(FA-30)、右の肉厚成形品(KSB-30)ともに30mL目安のボトル

 

厚肉成型にすると、樹脂の使用量が増えるので、単純にコストアップ要因となりますが、それでもガラスのような肉厚感に付加価値を見出す場合にはよのではないでしょうか。