チューブ容器のエンドシール方法
●チューブ容器で知っておきたいこと
チューブ容器の取り扱いについて様々な注意点があります。
例えばチューブ容器といっても材質の選定から始まり、チューブ製造において必須となるエンドシール(ネジ部の反対側の筒状を溶着して閉じる加工)の方法などもポイントとなります。
主なチューブ容器は以下のような種類があります。
・アルミチューブ
主に医薬品(軟膏等)や工業製品に使われるチューブ、材質はアルミニウム、インパクトプレス(薄肉プレス)で成形します。充填方法はエンド充填(先端は穴がないため、おしり側の円筒穴より充填)
シール方法は尾曲機での折り曲げ加工となります。現在は大量生産型の尾曲機が主力で小ロット生産は大変困難な状況です。1980年前半頃まではハミガキチューブでも主力でした。
・ラミネートチューブ
アルミシートと樹脂シートをラミネート加工(貼り合わせ加工)し、円筒状にシーム(溶接)加工したチューブ。アルミの遮光性、香料の透過抑制と樹脂の柔軟性を活かしたチューブ。ハミガキペーストなどで多用されています。シーム跡が美粧性に欠けるとの理由で化粧品では毛嫌いされていましたが、近年化粧品でも多用されるようになっています。
・樹脂チューブ
筒状に押し出す成型方法や金型に注入するインジェクション成型、ブロー成型と多種の成型方法があり、それぞれに特徴があるチューブです。単層と多層構造があり、市場でたくさん見かけるチューブです。
●アルミチューブ容器の尾曲(折り曲げ)加工(エンドシール加工)
アルミはチューブ内面をシールできないため、複数回プレスしながら折り曲げていきます。アルミ素材は気密性が高いため、内容物を充填し、極力脱気(チューブ内部の空気を極力ない状態にする)した状態にすることで内容物の品質保持期間を延ばすことができます。
アルミチューブ口部は構造上塞がっており、使用する際に穴をあけて使います。
ある意味エアレス容器の原点のような気密性を有した構造なので、医薬品の塗り薬などに現在でも使用されています。
現在ではアルミチューブ自体が樹脂チューブと比較すると生産ロットが大きいこともあり、充填機及び尾曲加工機(折り曲げ加工)も大量生産型の機械が主力となっています。
また過去はハミガキペーストなど多数の製品がアルミチューブが主力でしたが樹脂チューブに切り替わっていき、総需要が減ることで現在小ロット加工できる尾曲機を使用している充填メーカーは殆どないと思われます。
※尾曲機の折り曲げプロセス(手動型)動画
研究所などアルミチューブを極少数使う場合に手動型の尾曲機を使用している場合があります。慣れてくると1日1000本程充填後の尾曲が出来上がります。
●樹脂チューブ容器の溶着加工(エンドシール加工)
様々な用途で使用される樹脂チューブは食品・化粧品・医薬品・雑貨に至るまで採用されています。
武内容器の小ロット対応している樹脂チューブ「T-Tube」シリーズは主に化粧品用途として小ロットからご購入いただいています。
樹脂チューブもエンドシール加工が必要です。エンドシール加工を行うためには専用のエンドシール機が必須となります。
エンドシールの方法は様々あるのですが、いずれも樹脂を熱で溶かして溶着させます。シール機自体は小ロットから大量ロットまで様々な機械・方式があるため、規模や品質・生産スピードに応じで機械の導入を行います。
一般的なシール方法としては以下のような方法があります。
①ヒートシール方式 熱板でチューブを挟み込み、溶かして溶着 設備コスト安い
②超音波方式 超音波振動で樹脂の摩擦熱を利用して溶着 設備コスト中~高価格
③ホットエアー方式 ヒーターで内面を溶かし外から熱板で溶着 設備コスト高価格
機械の価格は方式によっても大きく変わります。高価格設備のほうが密着度の調整や端部のトリミングなど仕上がりもきれいに見せることができます。
いずれの設備も内容物を充填するメーカーが設備保有してればよいのですが、エンドシール設備を保有していない充填メーカーもあります。その時は容器業者がエンドシールをした状態で(口部より充填)納入する場合があります。特に小ロットになると、エンドシールをした状態での納入が増える傾向にあります。
ちなみに武内容器ではエンドシール設備として「ホットエアー方式」のシール設備を保有しています。
※ホットエアー式チューブエンドシール機プロセス(自動機)動画
チューブは設備環境等の事前確認など、選定する必須確認ポイントがたくさんあります。容器を選ぶポイントがわかれば製品化もスムーズに出来上がります。
チューブ容器に関することで疑問等あればお問い合わせください。